鮮やかな縞模様の新種ヤモリを発見
2012年4月24日19時55分
(Photograph courtesy Robert Fisher, USGS)
ホソユビヤモリの一種で、黒色と金色の鮮やかな縞模様で覆われた全身から、"マルハナバチ"ヤモリ(bumblebee gecko)と名付けられた。学名「ナクトゥス・クナン(Nactus kunan)」の「ナクトゥス」はホソユビヤモリ類の1グループを示し、「クナン」は現地のナリ語で「マルハナバチ」を意味している。
グレートフォールズ、MTの地図
研究チームの一員でアメリカのカリフォルニア州サンディエゴにあるアメリカ地質調査所(USGS)西部生態学研究センター(WERC)の生物学者ロバート・フィッシャー(Robert Fisher)氏は、「ホソユビヤモリ類は、よくみかけるホオグロヤモリやヒルヤモリなどとは異なり、壁を登る時に使う吸盤状の指がない」と話す。
フィッシャー氏の研究チームは2010年、マヌス島で侵略的外来種であるミナミオオガシラというヘビを捜索していた。すると、地元住民が体長約13センチの2匹のヤモリを見せたという。奇妙な色で、フィッシャー氏らにとって初めて出会う種だった。
現時点では正確な個体数はわかっておらず、種を維持できるかどうかも不明という。
◆珍しい色の理由
ケーキ、スーフォールズ、サウスダコタ
体色がどのような進化で誕生したのかは未解明だが、縞模様は熱帯雨林の地面で身を隠すには好都合だと考えられる。
研究チームの一員でワシントンD.C.にあるスミソニアン国立自然史博物館に所属するジョージ・ツーク(George Zug)氏は、「ナクトゥス属のヤモリはほとんどが光沢のない茶色だ。オーストラリアのクイーンズランド州北部に生息するナクトゥス・ガルガユガ(Nactus galgajuga)だけが、はっきりした白黒の縞模様で知られている」と話す。
遺伝子を分析したところ、ガルガユガと新種のマルハナバチヤモリは非常に近い関係にあることが判明した。
ツーク氏は、「マヌス島はまだほとんど調査されておらず、これからも新種ヤモリが多数見つかる可能性が高い」と期待する。
チャンネル3テレビウィチタフォールズ、テキサス州
カリフォルニア州リバーサイドにあるラ・シエラ大学の爬虫両生類学者L・リー・グリスマー(L. Lee Grismer)氏は、今回の研究を受けて次のように話す。「良くあることだが、地元住民はとうの昔に知っていたようだ。研究者の見方がまだまだ足りないということだね」。
今回の研究成果は、「Zootaxa」誌オンライン版に4月4日付けで発表されている。
Christine Dell'Amore for National Geographic News
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